2011年11月08日

バリュエーションの投資判断はもうできない

オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)株が再び急落した。損失計上先送りを繰り返していたことが明らかになり、個人投資家などは同社が虚偽記載に問われて上場廃止になるというシナリオも視野に、パニック的な投げ売りを強めている。

 内視鏡など世界トップシェアの商品を持ちキャッシュフローも潤沢であることから、同社の「復活」をにらんだ買いを入れる投資家もいるが、不透明感が強まる中で、相場はしばらく荒れるとの見方が多い。

 <個人の手じまい売り> 

 8日の東京市場でオリンパス株は約209万株の売り注文を残しストップ安で引けた。寄り付きもストップ安であり、終日ほぼ安値圏で推移。売りたくても売れなくなる恐怖に個人投資家は投げ売りを強めている。「上場廃止も視野に個人投資家は損切りの売りを出している」(松井証券マーケットアナリストの窪田朋一郎氏)という。 

 また同社株は直近のデータで信用買い残が1932万株ある(売り残は1848万株)。突然の社長退任後に機関投資家の売りが広がったが、売り一巡後は短期売買目的の投資家が集中する「マネーゲーム」的な相場となり、信用売りが膨らむ半面で信用買いも増加していた。8日の株価下落率は29%と追証が発生するレベルであり、信用取引の手じまい売りも出ているとみられている。

 東京証券取引所[TSE.UL]の上場規定によると、上場会社が有価証券報告書などに虚偽の記載を行い、その影響が重大であると東証が認めた場合は、上場廃止になる。これまでに、西武鉄道(当時)やライブドアなどが、有価証券虚偽記載(粉飾決算)で上場廃止になった。 

 東証は8日、オリンパスの株式を監理銘柄に指定するかどうかを決めるには追加情報が必要との見解を明らかにした。広報担当者がロイターの取材に答えた。先送りした損失の規模や、投資判断への影響を見極める必要があるという。

  <買収期待の買いも>

 ただ売りが殺到する一方で買いが大量に入っているのも事実だ。8日の東証1部売買代金は約360億円と第3位だった。「上場廃止になれば株券はほとんど価値はなくなる」(準大手証券情報担当者)といぶかる声もあるが、リスク覚悟の買いもある。

 その理由のひとつは同社が優良な事業部門を持っていることだ。消化器内視鏡は世界シェア7割を有する。市場では「内視鏡からのキャッシュフローは年間1000億円は期待できる。買収額としてはキャッシュフローの3倍が相場なので8日終値734円をベースにした時価総額1991億円は割安ともいえる」(準大手証券ストラテジスト)との声が出ている。

 きょうの寄り前では空売り注文が複数出ていたが、このうちオリンパスの朝方の発表を受け買いに回った投資家もいたという。前場の取引では寄り付いた後に、さらに別の投資家によるまとまった買いが観測されている。8日は一時安値から34円高い771円まで切り返す場面があった。市場筋によると前場引け間際に60億円弱のまとまった買いが入ったという。

 外資系証券の株式トレーダーは「セクター内では企業価値が高いので、今後どこかに買収されると考えても不思議ではない」と話す。

 オリンパスの2011年3月末の連結純資産は1668億3600万円。発行済み株式総数の2億7128万株で割ったいわゆる解散価値は約613円となる。ただ虚偽記載の可能性が濃くなったことから、こうした「バリュエーションの投資判断はもうできない」(別の国内証券ストラテジスト)との指摘も多い。 
posted by Neue yapon kunst at 22:08 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

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